夜間運転用眼鏡:果たしてその効果は?
夜間の運転中、視界が良くないというのはよく聞く苦情です。夜間視力の悪さは、年齢に関係なくある問題ですが、40歳をすぎてから 特に気になりはじめる傾向があります。レンズに色が入った、夜間運転用の特別眼鏡の話を聞いたことはありませんか?
しかしこの「夜間運転用眼鏡」、本当に効果があるのでしょうか? ぜひ調べてみましょう。
夜間運転用眼鏡とは?
「夜間運転用眼鏡」は通常、イエローレンズを使った 非処方の 眼鏡です。基本的には、「シューティンググラス」と呼ばれ利用されているスポーツ眼鏡と同じものです。
夜間運転用眼鏡には、まぶしさの原因となる 街灯や対向車のヘッドライトからの光の内部反射を除去するための反射防止コートが含まれています。
ハンター(及びスポーツ目的でイエローレンズの眼鏡を使っている人)いわく、シューティンググラスを使うと曇った空とのコントラストが上がり、対象が見えやすくなります。このため、特に鳥類を狩るハンターたちに特に人気があります。
しかし、夜間の運転に効果があるでしょうか?
夜間運転用眼鏡をおすすめしない理由
イエローレンズの眼鏡は、昼間の特定条件下ではコントラストを高める効果があります。これは、レンズの黄色が太陽光のブルーライトをブロックするためです。ブルーライトは 可視光スペクトラムの中でも最もエネルギーが高く、波長が短い部分です。
この高エネルギー可視(HEV)ブルーライトが目に入ると、波長が長いほかの可視光線に比べ、よりまぶしさを感じやすくなります。
イエローレンズの「ブルーライトカット」作用は、アンバー(琥珀色)あるいはコッパー(銅)色のレンズでも見られます。むしろ暗い色調のアンバー(琥珀色)やコッパー(銅)色のレンズの方が、ブルーライトカット効果の高さではイエローレンズより優れているほどです。ただし目に入る光量もカットされるため、低照度の状態では視認性も低くなります。
事実、イエローレンズでも、HEVのブルーライトの一部がカットされることで全体の可視光線がある程度低減されているのです。昼間の視認性には良いかもしれませんが、夜間では逆効果です。
関連項目を参照:ブルーライト:そのメリットとデメリット
研究結果は「メリットなし」
このほど スケペンス眼研究所 (米国ハーバード大医学大学院付属)の研究者たちが、夜間運転用が視覚的メリットをもたらすかどうかを調べるシミュレーション研究を行いました。
この研究には、幅広い年齢層の成人22人が参加しました。参加者全員がイエローレンズ付きの夜間運転用眼鏡あるいはクリアレンズの眼鏡いずれかを着用し、4タイプの夜間運転シミュレーションで「運転」しました。
また、対向車の影響を模したヘッドライトのグレアシミュレーターを使用した場合と使用しなかった場合も、各被験者に「運転」してもらいました。
シミュレーション内の車道を歩いている歩行者を見かけた時の被験者の反応時間も、各シナリオごとに測定されました。
研究の結果、夜間運転用眼鏡には、特に夜間の歩行者検知能力の向上や、ヘッドライトのグレアによる歩行者検知への悪影響の低減などの効果は見られませんでした。
「我々のデータは、イエローレンズ眼鏡の使用には、夜間運転において最も重要な歩行者検知のパフォーマンスを向上させる効果はないことを示唆している」と研究著者は述べています。
「むしろ、統計的に有意とはいえないものの、イエローレンズ眼鏡を使用することでパフォーマンスがわずかながら悪化する可能性があることがデータによって示されている」
そして「これら研究結果は、専門医が患者に対しイエローレンズの夜間運転用眼鏡を奨励することを支持していない」と結論づけました。
夜間運転に最適な眼鏡
夜間運転に最適の視力を持つには、やはりまずは眼科医に相談して眼科検査を受けましょう。
自分では「特に問題ない」と思っていても、ちょっとした屈折異常を矯正した新しい眼鏡を使ってみると、夜こんなにはっきり見えるものなのか、 と驚く人も少なくありません。
目が健康で処方眼鏡が必要な屈折異常がない場合、あなたにぴったりの多感運転用眼鏡は:何もかけないこと、これに限ります!
一方、近視や遠視、乱視のために処方眼鏡が必要な場合は、反射防止, コーティング 付きの クリアな 矯正レンズを選びましょう。可視光線がほぼ100%目に入るようになるうえ、適切にピントを合わせることができるので、最高の視力が得られます。
また、反射防止(AR)コートをすることで、まぶしさの原因となる街灯や対向車のヘッドライトの内部反射も除去できます。
視力矯正の必要がなくても、夜間運転のために反射防止(AR)コート入りのクリアレンズ眼鏡を購入すべきか迷う方もいますが、反射防止(AR)コートは、レンズ自体が引き起こすグレア(まぶしさ)を軽減するためのものなので、その必要はありません。お金は大事にしましょう。
矯正レンズが不要な方がARコートを施した処方なしの眼鏡をつけても、視覚的に何の利益もありません。
で公開されたページ 2020年12月8日火曜日